巷で聞くうわさの『ツアー支給品(プロ支給品)のゴルフクラブ』。
ツアー支給品とは何なのか?市販品とは何が違うのか?
ツアー支給品を使用しているプロゴルファーやツアーバン関係者から聞いた話や、私が試打させてもらって感じた市販品との違いや感想をご紹介します。
ツアー支給品やプロ支給品とは?
ツアー支給品やプロ支給品とは、その名の通りツアーを戦うプロゴルファーの為に作られたり、提供されるゴルフクラブの事です。
1,000本作ったゴルフクラブの中から製品誤差の少ない物や、CT値の高いヘッドを数十個選び、その中からプロに選んでもらい使ってもらう、市販品と全く同じ製造工程のツアー支給品もあれば、誰が見ても市販品とは異なる作りのツアー支給品もあります。
以前はCOR(反発係数)テストでルールの上限0.830を超えていないか判定してましたが、CORテストは非常に精密で時間もかかるため、2004年からはより簡単に反発度合いをテストできるCT値でルール適合かどうかを判定するようになりました。
CT値 ㎲(マイクロセカンド) | |
~239 | ルール適合 |
240~257 | 許容誤差範囲(適合) |
258~ | ルール不適合 |
ツアー支給品と市販品のゴルフクラブの違いは?
製造工程が市販品とは違うツアー支給品の場合は、市販品には無いヘッドバランスのモデルがあったり、調整用の穴があったり、フェースに溝がないモデルなのに溝があったりと、モデルによって違いは様々です。
製造工程が市販品と同じツアー支給品の場合は、市販品と見た目等の違いは無いです。
ただ、工業製品として設計値と誤差が少なく、CT値がルール適合の範囲内で高い個体が選ばれてるので、ゴルフショップで売られてる市販品と比べると『同じドライバーヘッドなのに飛んだり飛ばなかったりとか、クラブ重量にばらつきがあったり』と言う個体差が少ないです。
そもそも市販品のゴルフクラブってそんなに製品の誤差があるの?ゴルフクラブの個体差とは?
「いやいや、いくらなんでも製品の誤差があるゴルフクラブをメーカーは売らないでしょ!?」と思うかもしれませんが、メーカーは許容範囲の誤差で有ればカタログスペックに近づけるように鉛等を入れるなど調整をしてから販売します。
製品の誤差(ゴルフクラブの個体差)が見た目で分かりやすいのが、ウッド系のゴルフクラブの構えた時の顔の違いです。
同じモデルを何本も並べて構えてみるとわかるのですが、『かぶって見えたり、逃げ顔に見えたり、、。』リアルロフトが違うなんて事も普通にあります。
また、CT値も個体によって違うため、同じドライバーでも飛ぶヘッドと飛ばないヘッドが存在したりするのです。
テーラーメイドに関しては、反発が高い個体のヘッドを『ツアースパイシーヘッド』と呼びトッププロ用に管理し、その他を市販品として販売していたそうです。なので昔のテーラーメイドのドライバーに関して言えば、『市販品よりもツアー支給品の方が反発性能が高かった』と言えます。(M5、M6からは製造方法が見直され、CT値のバラつきは少ないようです)
ほとんどのゴルフクラブメーカーのカタログに『カタログで表示の重量などは設計値です。実測値が設計値と若干異なる場合がありますのでご了承ください。』と書いてあるように、ゴルフクラブは工業製品なので、製品の誤差、つまり個体差が出来てしまうのは仕方がない事なんです。
ツアー支給品クラブの特徴
私が実際に見たり試打させてもらったツアー支給品の特徴を、ゴルフクラブの種類別にご紹介します。
ツアー支給品ドライバー
こちらのツアー支給品ドライバーは、【キャロウェイ】GBB EPICのUSモデルです。
市販品との細かい違いはわかりませんが、このドライバーは市販品よりもヘッド重量が軽く出来てるそうです。
『Hot Melt Port(重量調整用の穴)』と言う穴からジェルを入れて、バランスや重心位置を調整出来るそうです。
私がこのドライバーを試打させてもらった時は、調整用のジェルが入っていない状態でバランスが出て無かったので、とても軽く打音も市販品に比べて高めでした。
飛距離性能に関しては、計測してないのでわかりません。
ツアー支給品フェアウェイウッド
こちらのツアー支給品フェアウェイウッドは、【テーラーメイド】M2の2017年モデルです。
こちらのウッドも重量調整用の穴『Hot Melt Port』が付いています。
試打した感想としては、市販モデルのM2フェアウェイウッドよりも打感が柔らかく感じましたが、つかまりが悪い印象でした。
飛距離性能については、計測してないので分りません。
フェアウェイウッドの市販品と支給品の違いに興味がある方は、こちらの動画を参考にしてみて下さい。
アスリートゴルフチャンネルでやってたM2フェアウェイウッドの市販品と支給品の打ち比べ動画です。
ツアー支給品アイアン
こちらのツアー支給品アイアンは、【キャロウェイ】XツアーのUSモデルです。
このアイアンは、クラブ重量やシャフトの長さがバランスよく調整されているため、ヘッドが支給品だからとか関係なく非常に打ちやすかったです。
日本仕様の市販品と打ち比べたことがありますが、正直違いは分からないです。
また、支給品アイアンの中には、市販品とスコアラインの数が違うモデルもあるみたいです。
『HIGH SPEC GOLF』で紹介されてた市販品のアイアンとツアー支給品のアイアンのスコアラインの数が違うと言う動画です。
ツアー支給品ウェッジ
こちらのツアー支給品ウェッジは、【キャロウェイ】PMグラインドの2019年モデルです。
市販品はメッキ加工が施されてますが、こちらのツアー支給品ウェッジはノーメッキ仕様になってます。
支給品のウェッジは、市販品には無いノーメッキ仕様のモデルがあったり、フェースのミーリング加工に手間がかかっていて、スピン量が多くなるように調整されてたりするモデルもあるみたいです。
メッキ仕様の市販品を試打した事がないので比較は出来ませんが、このウェッジはフェースにボールが乗りやすく、ローボールが打ちやすい印象でした。また、支給品だからかどうかはわかりませんが、ラフからのヘッドの抜けが非常に良かったです。
ツアー支給品パター
ツアー支給品やプロトタイプと呼ばれるパターの中には、市販品とはデザインや素材が全く違うモデルも有りますが、女子プロに人気があるオデッセイは、ウエイトやインサートをプロの好みに変更したものがプロトタイプと呼ばれてるようです。
また、男子トッププロに愛用者が多い『スコッティ・キャメロン』は、プロトタイプやプロ用には『GSS(ジャーマンステンレススチール』を使用してるのに対し、市販品には『SUS303(ステンレス)』を使用するなど全くの別物になっています。
ツアー支給品のゴルフクラブとは?まとめ
ツアー支給品のゴルフクラブについて、私が聞いた事や実際に試打してみた感想をご紹介しましたがいかがでしたか?
ツアー支給品と言うと、何か特別なテクノロジーが搭載されてたり、市販品よりも飛ぶのでは?と思ってる方もいると思いますが、支給品のドライバーを何本か試打させてもらった個人的な感想を言うと、「確かに市販品よりも飛ぶ個体はあると思うけど、市販品よりも何十ヤードも飛ぶと言う事はないかと、、、」(ヘッドスピードが速い人が打てば話は変わりますが)
ツアー支給品はCT値が高いと言っても、あくまでもルール適合の範囲内の事ですからね!とは言いつつも、CT値は低いよりもルールギリギリの方が良いですよね。飛びますから!
本物かどうかはわかりませんが、楽天市場でもツアー支給品クラブが販売されてるみたいなので、興味がある方はご覧ください。
「国内未入荷モデル」や「US限定モデルのレアもの」などを販売してる『フェアウェイゴルフ』でも、たまにツアー支給品ヘッドが売られてるので、興味がある方はご覧ください。